NISAとiDeCo、どっちを優先する?20代・30代のための使い分けガイド
資産形成を始めようとすると、必ず出てくるのが「NISAとiDeCo、どっちがいいの?」という疑問です。結論からいえば、どちらが優れているかではなく、目的が違う制度です。この記事では、2つの制度の違いを整理し、考え方の順序をお伝えします。
2つの制度をざっくり比較
| NISA | iDeCo | |
|---|---|---|
| 目的 | 幅広い資産形成 | 老後資金の準備 |
| 税制メリット | 運用益が非課税 | 掛金が所得控除+運用益非課税+受取時も控除あり |
| 引き出し | いつでも可能 | 原則60歳まで不可 |
| 年間の上限 | つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円 | 働き方・企業年金の有無により異なる |
| 生涯の上限 | 非課税保有限度額1,800万円 | なし(拠出は加入期間による) |
※ NISAの数値は2024年開始の現行制度のもの。iDeCoの拠出限度額は制度改正が予定されているため、最新の情報はiDeCo公式サイト等でご確認ください。
一番大きな違いは「引き出せるかどうか」
税制メリットだけを見ると、掛金がまるごと所得控除になるiDeCoは強力です。ただし、iDeCoは原則60歳まで引き出せません。
20代・30代は、結婚、住宅購入、転職、子育てなど、まとまったお金が必要になるライフイベントがこれから続く年代です。「老後のため」に資金をロックしすぎて、目の前のライフイベントで身動きが取れなくなっては本末転倒です。
考える順序は「目的 → 制度」
制度から入るのではなく、次の順序で考えるのがおすすめです。
- 生活防衛資金を確保する ― まずは生活費の数か月分を現預金で。投資はその後です。
- お金の使い道と時期を書き出す ― 何年後に、何のために、いくら必要か。
- 時期が近いお金・流動性が必要なお金 ― 引き出せるNISA(またはそもそも投資しない)が候補。
- 老後まで使わないと決められるお金 ― iDeCoの所得控除メリットが活きる領域。
「NISAとiDeCoのどちらか」ではなく、目的別にお金を色分けしてから、それぞれに合う制度を割り当てるのが基本の考え方です。
よくある誤解
「iDeCoの節税額だけ見て決める」
所得控除の節税効果は年収(所得税率)によって大きく変わります。収入がまだ低い時期は所得控除のメリットも小さくなるため、同じ制度でも人によって効果は異なります。
「非課税だから損しない」
NISAもiDeCoも、非課税になるのは「税金」だけです。投資対象の値動きによって資産が増減するリスクは変わりません。運用成果を保証する制度ではない点は押さえておきましょう。
自分の場合はどうなる?を整理したい方へ
制度の一般論はここまでで整理できますが、実際の判断は「あなたの収入・家族構成・これからの予定」によって変わります。株式会社TCLの個別相談では、ライフプランの整理から制度の使い分けまで、数字を使って一緒に考えます。お問い合わせはお気軽にどうぞ。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘や個別の投資助言を行うものではありません。制度の内容は執筆時点のものです。最新の情報は各公式サイト等でご確認ください。